真珠貝の種類 | 真珠通販のパール優美

●海水産真珠貝
真珠養殖に使用される主な海水産の真珠貝は、アコヤガイ、シロチョウガイ、クロチョウガイ、マベ、アワビの5種類です。

アコヤガイ (Akoya pearl oyster : Pinctada fucata martensii Dunker)

あこや真珠の貝

「養殖真珠の元祖」 と言えるアコヤ真珠を産出する二枚貝で、インド洋、西太平洋に広く分布するベニコチョウガイ (Pinctadafucata Gould)の日本種がアコヤガイです。 中国の海南島北部から雷州半島、同半島周辺からベトナム国境にかけて行われている真珠養殖の母貝もこの仲間で、日本では「中国産アコヤ」と呼ばれていますが、現地では「馬氏貝」と呼ばれています。 
日本においてはアコヤガイの北限が、太平洋側では房総半島、日本海側では男鹿半島と言われています。 水深10m 位までの、比較的浅い海底の岩礁などに足糸を出して付着しています。 適水温は15~25℃位で、10℃以下では要注意、8℃以下では死ぬと言われています。
アコヤガイの大きさは殻高7~10cm位、重量40g 程度で、他の具珠貝に比べると、小型です。 貝殻外側の色は黒紫色や黄褐色、緑色がかったものまで、 文字通り色々ありますが、 これとは対照的に、貝殻内表面の真珠層は美しい虹色光沢を持っています。
最近日本のアコヤガイと外国産のものを交配させ、いわゆる 「ハーフ貝」と呼ばれる交雑種を大量に作り、 養殖に使用することが全国的に広がるにつれ、純国産アコヤガイ絶滅の恐れさえ出てきました。

シロチョウガイ (Silver/Gold-lipped pearl oyster : Pinctada maxima)

白蝶貝

シロチョウガイは、 赤道を中心にインド洋、西南太平洋に生息しており、主な海域はオーストラリア、 インドネシア、 フィリピン、ミャンマーなどです。 日本でも鹿児島や沖縄でシロチョウガイを使った真珠養殖が行なわれています。

生息場所は、干潮時に海底が露出する位の浅い所から水深70mにも及ぶ深い所とかなり広く、最も多いのは水深10~50m 位の海域です。生息に適する水温は25~29℃位で、 28~29℃になると貝の動きは活発になりますが、31℃を越えることが長く続くとへい死が多くなると言われています。 反対に水温が25℃以下になると貝の動きも不活発になります。 水温と真珠層の厚さ、即ち真珠の 「巻き」とは密接な関係があり、 養殖地域の水温の違いが養殖期間の違いにもなります。
シロチョウガイは真珠養殖用の真珠貝の中では最大で、オーストラリアでは殻高25cm、重量2kg位のものが普通ですが、 大きいものになると殻高30cm以上、重量は5kgにもなります。これに対しインドネシアのシロチョウガイはオーストラリアとは異なり、人工採苗のものが多く、一般に小型です。この貝の大きさの違いは養殖される珠のサイズに関係し、オーストラリアの10~20mmに対し、インドネシア珠は8~13mm位と小粒です。
シロチョウガイには真珠層縁が銀白色のものと黄色のものがあり、前者は「シルバーリップ (Silver lip)」、後者は「ゴールドリップ(Gold lip)」と呼ばれています。 オーストラリアではシルバーリップが、またフィリピン、インドネシアではゴールドリップが多くこのことは生産されるシロチョウ真珠の色にも影響し、オーストラリア産はホワイト系のものが多いのに対し、フィリピン、インドネシア産はクリーム、イエロー、ゴールデンなど、黄色系のものが多くなります。


クロチョウガイ (Black-lipped pearl oyster Pinctada margaritifera)

黒蝶貝

クロチョウガイの生息地域は広く、日本では紀伊半島以南から奄美、沖縄に及びます。 その分布はさらに台湾から西インド洋、ペルシャ湾、紅海へ、あるいはミクロネシア、ポリネシアなどの南太平洋からカリフォルニア湾、パナマ湾へと、赤道をはさみ、南北約30度の緯度内の暖かい水域です。 分布域が広いため、同じクロチョウガイの仲間でもかなり特性が異なり、ポリネシア産はPinctada margaritifera cumingi、カリフォルニア、パナマ産は Pinctada margaritifera mazatlanica, 紅海産はPinctada margaritifera eryth-rensis といくつかの亜種に分類されています。
クロチョウガイは水深10数m以上の水通しの良いサンゴ礁の海域に生息し、足糸を出して岩場にしっかり着生する二枚貝です。最適水温は24~29℃位で、18℃以下では成長が止まり、15℃以下では危険水温となり、11~12℃で死ぬといわれています。クロチョウガイは一般にシロチョウガイより小さく、4~5年貝で殻高15cm位の大きさですが、ポリネシアでは殻高30cmを越えるような大きいものもあります。 貝殻内面真珠層は銀白色で、周縁部には特有の黒色色素が多く含まれており、 色も銀灰色から黒紫色と、かなり幅のある黒色系となります。 特にポリネシア産クロチョウガイには、非常に美しい赤味のある濃緑色のものがあり、 こうした母貝からは同様の色を持つ「ピーコックカラー」 と呼ばれるすばらしい真珠が産出されます。


マベ (Black-winged pearl oyster : Pteria penguin)

マベ真珠

大きさが20cm以上の翼のように広がった後耳を持つ二枚貝です。日本では四国以南の海域に生息し、奄美地方などではこの貝による半形真珠の養殖が行なわれています。 生息地域はさらに香港、マレーシア、インドネシア、タイ、カンボジアと西太平洋からインド洋にまで及んでいます。 水深20m位の深い所に生息し、頑強な足糸で岩礁やウミマツ、サンゴの幹などにしっかり固着しています。マべは群をなして生息しません。 貝殻の外側表面は黒色ですが、内面
真珠層は非常に美しい虹色千渉色があり、すばらしい真珠光沢を呈しています。
マベの亜種にレインボーマベ (Western Winged pearl oyster:Pteria sterna) があります。 この貝は大きさ6~14cm位とやや小型で、 カリフォルニア湾のバハカリフォルニアからペルーにかけての海域に生息しています。 この真珠貝から紫~黒色の真珠が産出され、最近メキシコの真珠業者がこれを母貝にして黒真珠の養殖を始めています。