真珠について | 真珠通販のパール優美
御木本幸吉
安政5年(1858年) 1月25日、三重県の鳥羽で生まれた。 明治23年 (1890年) 頃より真珠養殖に着手し、 明治26年 (1893年) 遂に半円 真珠の養殖に成功した。 その後幾多の苦労を乗り越え、養殖真珠を ジュエリー産業として発展させたことは余りにも有名である。真珠の養殖とそのブランド化などで富を成した人物である。御木本真珠店(現・ミキモト)創業者。ミキモト・パール、真珠王とも呼ばれた。
アコヤガイ
(Akoya pearl oyster,
Pinctada fucata)
養殖真珠の元祖であるアコヤ真珠を産化する海水産二枚貝。同種のものはインド洋から西太平洋にかけて広く分布する。日本では太平洋側では房総半島、日本海側では男鹿半島が北限と言われている。貝殻内面真珠層は非常に美しい虹色光沢を持っている。
シロチョウガイ
(Silver/Gold-lipped pearl oyster,
Pinctada maxima)
奄美大島以南より赤道を中心とするインド洋、西南太平洋に生息する海水産大型二枚貝。貝殻真珠層縁の色の違いで、シルバーリップ(Silver lip)、ゴールドリップ(Gold lip)と呼ばれる。真珠養殖に用いられる貝の中では最大で、養殖される真珠も10mm以上の大珠が多い。
クロチョウガイ
(Black-lipped pearl oyster,
Pinctada margaritifera)
真珠養殖母貝としてはシロチョウガイに次ぐ大型の海水産二枚貝。日本では紀伊半島以南に生息する。世界では台湾から西インド洋、ペルシャ湾、紅海、南太平洋(ミクロネシア、ポリネシア) からカリフォルニア湾、パナマ湾とその生息地域は広い。
マベ
(Black-winged pearl oyster,
Pteria penguin)
烏帽子のような特徴的な形をした大型の海水産二枚貝。奄美大島以南の太平洋、インド洋水域に広く分布している。古くからこの貝による真珠養殖が試みられたが、真円真珠の養殖は難しく、半形真珠が主体となった。
ヒレイケチョウガイ
(Hyriopsis cumingi)
中国の河川や沼に生息する大型の淡水産二枚貝。日本の琵琶湖に生息するイケチョウガイ (Hyriopsis schlegeli)の近種。中国では人工採苗により大量に母貝として生産され、淡水真珠養殖に使われている。中国では「三角帆峠」と呼ばれている。
コンク真珠
ビンクガイから産出される天然真珠。通常の真珠構造とは異なる交差板構造という特殊な構造をしている。オーバル系のものが多い。カロチノイド色素に由来する赤い色と、火炎構造(フレームストラクチャー)が特徴である。
●真珠ができるまで
アコヤガイ軟体部
軟体部には心臓、鯉、閉殻筋、 外套膜、 生殖腺などいろいろな器官がある。このうち真珠養殖に欠かせないのは外套膜と生殖腺で、外套膜からは「ピース」と呼ばれる細胞の小片が切り出され、核と共に生殖腺に移植され、真珠が形成される。
ピース
外套膜の外面上皮細胞を、 通常2mm角程度の大きさに切った細胞切片。 ピースは核と共に真珠貝体内に移植され、 増殖して真珠袋となり、 真珠質を分泌して真珠をつくる。 最近の研究では、ピースの性質ができる真珠の色に大きく関与していることがわかり、ピースを切り出す貝の特性が重要視されている。
人工採苗
人工的に雄貝と雌貝を受精させて稚貝をつくり、育成すること。 アコヤガイでは通常12月下旬から種貝を飼育し、十分成熟させた後、翌年の1月下旬に生殖巣から精子と卵子を取り出して受精させ、 その後春までタンクの中で数mmの大きさになるまで育てる。 それ以降は海に出して養殖する。優良な母貝を作出するため、親となる種貝は慎重に選ばれる。最近では母貝の特性を遺伝子レベルで調べたり、 精子の凍結保存など、いろいろなバイオ技術が導入されている。
天然採苗
海中で自然に受精して育った稚貝を採集して真珠用母貝に育てること。 日本のアコヤガイの場合、 初春から初夏にかけて新たに生まれた稚貝は付着生活に入る。 この時期を狙って杉葉のような付着物を海中に浸し、 稚貝を付着させて採集する。
核入手術
真珠養殖の中で最も重要な工程で、手術の上手下手で出来る真珠の品質の大半が決まると言っても過言ではない。今から100年以上も前にピースという生きた組織の移植技術が確立されていたことは、驚異に値する。
養殖管理
核入手術が完了した母具は本格的に養殖されるが、養殖期間中の母貝管理の仕方も、核入手術同様、出来上がる真珠の品質に大きな影響を与える。最近では母貝の生理特性や、 漁場環境の把握を科学的に行い、良質の真珠を作り出す努
力が日夜行われている。
浜揚げ
養殖された真珠貝から真珠を採取すること。「浜上げ」 ともいう。 浜揚げされた真珠は 「浜揚げ珠」と呼ばれる。 日本産アコヤ真珠の場合、色やテリが良くなる12月から翌年の2月にかけて浜揚げが行われる。養殖を終えた母貝は真珠採集のため陸上に運ばれ、浜揚げが行われる。自分達の日頃の努力がどのような結果で珠に現れてくるのだろうかと、養殖業者は期待や不安を胸にして浜揚げを行う。
アコヤ真珠養殖場(日本)
かつては太平洋側では神奈川県、 日本海側では石川県より西の24府県で行われていたアコヤ真珠養殖も、現在では三重県、愛媛県、長崎県、熊本県、大分県が中心となっている。
真珠の選別
真珠の選別は形、巻き、 キズ、テリ、色などの品質に基いて行われる。
真珠の穴あけ
穴あけには連用にするための両穴あけと細工用にするための片穴あけがある。
連組み
「連台」 と呼ばれる溝のある長方形の木製トレー上で、 両穴珠のサイズ、形、 巻き、 キズ、色テリなどの品質を揃えて並べ、糸を通して1本のネックレスに仕上げること。連台の上で真珠の品質をそろえて1本の連に仕上げる。非常に熟練の技術が必要である。
●真珠の形
丸い核を母貝に入れても、出来上がる真珠にはラウンド、セミラウ
ンド、ドロップ、バッロクなど実に様々な形のものが産出される。
なぜこのように違った形のものが出来るのかということについては、
余り研究が行なわれていない。
●真珠の色
真珠の色は光の干渉や色素、有機物などによって違いが生じる。
グラデーション
中央に最も大きい真珠を置き、そこから左右対称に次第にサイズが小さくなるように真珠が配列されたネックレス。 アコヤ真珠の場合、珠の大きさ、長さ、 目方などによって、 2.5型、3.5型 5型 8型などの種類がある。
ユニフォーム
珠サイズの差を0.5mm以内にして連組された、大きさのほぼ等しいネックレス。 長さによっていろいろな呼び方がある。
真珠ネックレスの長さ
ネックレス (ユニフォーム) は、その長さによっていろいろな名前で呼ばれる。
●チョーカー ①:14インチ (約35cm)。
首回りにぴったりした長さ。
●プリンセス:16インチ (約40cm)~17インチ
(約43cm)。
●マチネー ②:21インチ (約53cm)。
チョーカーの1.5倍の長さ。
●オペラ ③:28インチ (約71cm)。
本来は夜会用。
●ロープ ④:42インチ (約107cm)。
チョーカーの3倍の長さ。
真珠層
アラゴナイト(霰石) と呼ばれる炭酸カルシウムの結晶と、 コンキオリンと呼ばれる硬タンパク質が、レンガ塀のレンガとセメントのように平行に積み重なってできている層。
巻き
真珠層の厚さ。 巻きの基準は母貝の種類によって異なる。 巻きは一般に養殖期間と関係があり、養殖期間が長いと巻きも厚くなる傾向にある。 非破壊で巻きを測定するのに、 軟X線がよく用いられる。
テリ
テリ真珠が反射する光の質を「テリ」という。 真珠のテリの良し悪しは、 真珠の表面構造および内面構造 (の厚さ、 均一性、 光透過性など) によって決まる。 真珠表面が光の乱反射のない円滑な表面をもち、かつ大きくて薄いアラゴナイトのきれいな結晶が規則正しく積み重なって真珠層を構成している場合、 いわゆる光の反射、 屈折、 干渉などの作用によって真珠特有のテリが生まれる。
花珠(はなだま)
あこや真珠の『花珠』『準花珠』とは一般にキズが少なく、 形、巻き、 テリ、 色の良い高品質のものを指します。
高品質なあこや真珠の『花珠』『準花珠』は希少で価値があります。
あこや貝を養殖するのは海の温度や気候変化などにより、養殖することが非常に難しく
あこや真珠が形成されるのは全体でも極わずかとなります。
あこや真珠として形成されたとしても、そのほとんどの品質は
形が変形していたり、キズが多かったり、色やテリが悪かったりします。
高品質な『花珠』として、世の中に出回っているのは市場全体の10%以下と言われています。
*『準花珠』とは、少し花珠に比べますと若干のキズがありますが、『花珠』との品質の差は若干でありますが
お手頃価格となっております。
漂白
主に酸化水素などの酸化剤を用いて、 真珠中に含まれる「シミ」と呼ばれる有機物や、 色素を漂白して、 真珠の美しさを引き出す処理。
真珠の漂白はイタリアで珊瑚の漂白にオキシフルが使用されたことにヒントを得たといわれている。
無核養殖真珠
母貝にピースのみを挿入して養殖された真珠。 固形の核を使用しないところから、 無核と呼ばれる。 ほとんどの淡水産養殖真珠は無核である。天然真珠又は養殖真珠の外観、色、 その他の特徴を模して、人工的に製造された真珠。 天
然真珠、又は養殖真珠と物理的、科学的特性が同じであるか否かは関係しない。
有核養殖真珠
母貝に核及びピースを挿入して養殖された真珠。 海産養殖真珠は、 ほとんど全てが有核である。 淡水産養殖真珠でも、わずかではあるが有核真珠が養殖されている。
アコヤ真珠
アコヤガイで養殖された真珠。 大きさは2~10mm位で、 6、7mmのものが一般的である。8mm以上の大珠は極端に少なくなる。 特有の干渉色をもったものが多い。 アコヤ真珠は日本以外に中国、ベトナムでも養殖されている。
クロチョウ真珠
クロチョウガイで養殖された真珠。 1970年代は沖縄の石垣島が主な産地であったが、 1980年代にタヒチが量産化を始め、現在ほとんどがタヒチ産である。かつてはほとんど10mm以上の大珠であったが、最近は8、9mmも増加している。色は「ピーコック」と呼ばれる赤味のあるグリーンブラックが最も好まれてい
る。これ以外にブラック、グレー、グリーン、レッド、ホワイト、ブルーと色の幅は広い。
シロチョウ真珠
シロチョウガイで養殖された真珠。 「南洋珠」とも呼ばれる。 大きさは10mm以上のものが大半であるが、 最近は8, 9mmのものも増加している。 シロチョウ真珠には 「シルバー・リップ」と呼ばれる貝で養殖されたホワイト系
の真珠と、 「ゴールド・リップ」と呼ばれる貝で養殖されたクリーム~ゴールデン系の真珠がある。 シロチョウ真珠は主にオーストラリア、インドネシア、フィリピンで養殖される。 最近ミャンマー、日本でも養殖されている。
淡水真珠
日本ではイケチョウガイ、中国ではヒレイケチョウガイ(三角貝)で養殖された真珠。最近日本産のものは極めて少なく、大半は中国産である。淡水産養殖真珠はほとんどが無核のため、形が非常にバラエティーに富んでいる。
色はホワイト、オレンジ、パープルの3つを基本に、これらが混ざり合ってさまざまな色をつくり出している。 サイズは2mm位のものから10mm以上のものまであり、幅が広い。
養殖真珠
人為的な介在要因により、 生きた貝の体内で形成され、 外観し得る表面全体が真珠層で覆われているもの。 具体内への人為的な介在は真珠形成の契機を与えるのみであり、また形成物は具体内で生産される天然物のみであること。 養殖真珠はその形成メカニズム、 特徴により、 養殖真円真珠及び養殖半形真珠に
区分される。
半形真珠
真珠貝の貝殻内面真珠層に半球状の核を挿入して養殖された真珠。 養殖後は核が除かれ、樹脂などが充填される。 マベで養殖されたものが有名なので、 シロチョウガイやクロチョウガイ、アワビなどで養殖された半形真珠も、しばしば「マベ」 と呼ばれる。 以前は「半円真珠」、 「半径真珠」 などとも呼ばれていたが、現在は「半形」で統一されている。
天然真珠
いかなる人為的な介在要因も含まず、 生きた貝の体内で形成される代謝生産物で、 かつその外観し得る部分の構成物質が貝殻と等質であるものをいう。 天然真珠は真珠層構造をもつもの、及びその他の構造 (例: 交差板構造)をもつものに分けられる。
ケシ
養殖真珠の副産物として採取される無核の海水真珠。 ケシはかつてアコヤガイから採取される小粒の無核真珠を指したが、 現在ではシロチョウガイやクロチョウガイから採取される大粒の無核真珠もケシと呼ばれている。
もんめ(匁)
真珠の重さを計る日本古来の重量単位。 もんめ =3.75gである。 養殖真珠は日本から始まったので、現在でももんめ(匁) が例外的に重量単位として認められている。